Hinata: それでそのときね、オカザキ先輩はほんとう面白い顔をしたの。私たち笑いに、笑ったの!。
Takuto: ははは。
H: そのみんなの一人は彼の椅子から転げ落ちるくらいに、すごく笑ってたの!。
T: あはは、それはいいね。
H: いいね?。タクト、あなた聞いてる?。
T: えっ?。ああ、うん、僕は聞いているよ。オカザキ先輩が面白いことをしたんだろう。はは。
H: タクト!。あなた聞いてない!。
T: ああうん。そうだね。それでその、君は何て言ったの、ヒナタ?。
H: タクトっ!。
T: 聞いてる!。どうして君はそんなに大きな声で話すの?。
H: これは私たちの初めてのデートなのよ、でしょう?。
T: そうだね。
H: あなた、楽しんでる?。
T: 勿論。僕の夢が叶ったよ。
H: それならいいんだけど。でも私、ぜんぜん楽しく無い!。
T: どうして楽しく無いの?。
H: だって、あなた電車に乗るのを楽しんでるだけじゃない。私がここにいるかどうかなんて、全くどうでもいいじゃない。
T: それは重要なことだよ。でも、ヒナタ、君は僕がどこに行って何をするか決めていいって言ったじゃない。
H: 言ったけど、こんな風だと思わなかったの。
T: この列車に乗るのはとても楽しい。僕は君にこれを体験して欲しかったんだよ。僕は列車のモーターの音を、君と一緒に本当に楽しんでいる。それは素晴らしいよ!。
H: それは私には素晴らしく無いのよ。タクト、あなた言ったでしょ…。
T: しーっ!。僕らはいま橋を渡る。聞いて。音がすぐに変わるから…。よし!、君、それが聞こえる?。ああ、僕はこの音大好きなんだよ!。それと僕は君に言いたい。この線は僕らの県初の鉄道だってことを。そしてそれ以来…。
H: まって!。私、あなたがそんなに鉄道のこと大好きだなんて知らなかったよ。私、次の駅で降りるね。
T: どうして?。僕らはデート中だろう!。
H: これはデートじゃ無い!。デートでは、私たち一緒にお話ししたり、笑い合うのよ。お互いに私たちが、ほんとうに幸せな気持ちを感ずるものよ。
T: 僕はいま幸せだよ。
H: あなたは幸せよね、あなたはあなたの大好きな電車に乗れて。でもそれだけ。私たちはなにもしてない。あーあ、なんで私電車でのデートなんかに、いいよって言っちゃたんだろ!。
T: ヒナタ…。
H: …。まって。あのポスター見える?。
T: ふむむ…。「この電車の駅で、エンジョイハンターのキャラクターのスタンプを集めよう。」って書いてあるね。子供用のものだね。
H: エンジョイハンター!。わたしあのアニメ大好きなの!。タクト、わたしたち一緒にあれをするわよ!。さて、私は私たちのデートを楽しみ始めるわよ!。
Conductor: 次はー、田んぼ3丁目、田んぼ3丁目です。
H: いそぐよ、タクト。わたしたち、おりるわよ!。どんなスタンプがあるのか、私楽しみ!。
T: でもヒナタ…。僕はこの列車の音を楽しみたいんだよ。
H: 行くよ、タクト!。
T: ヒナタ!、僕、君がそんなにアニメのこと大好きだなんて知らなかったよ!。