むかしむかし、ちいさな町に、その町の裁判官の牛の世話をする貧しい牛飼いがいました。彼は毎日、野原に牛達を連れて行きました。彼はまた彼自身の牛も飼っていました。それは痩せて弱いものでしたが、彼はその牛の世話を丁寧にしました。その貧しい男はいつも野原に裁判官の牛達と一緒にその牛も連れて行きました。
そのある日、貧しい男の牛と裁判官の牛のうちの一匹が闘い始めました。彼が驚いたことに、彼の痩せた、弱い牛は裁判官の牛をその角で殺してしまいました。その貧しい男は彼の牛が死ななかったことを喜びましたが、同時に、とても心配になり始めました。「裁判官は怒るだろう!。」
幸いなことに、彼はある思いつきを得ました。彼は裁判官のところに駆けつけて言いました。「ああ、旦那様。恐ろしいことが起こりました。しかし、貴方は良い裁判官です。私は貴方が公平であるだろうことを私は知っています。私の話を聞いてください。」
「構わないよ。私は良い裁判官だ。君の話を聞こうか。」その裁判官が言いました。そしてその貧しい男は裁判官に何が起こったかを話し始めました。
「私の牛が貴方の牛と闘い始めたのです、旦那様。そして貴方の牛が私の牛をその角で殺しました。貴方の牛をどうしますか?。貴方はその牛を殺しますか?。」
その裁判官は言いました。「少し待ちなさい。私が判断を下す前に、私はその状況を注意深く把握する必要がある。初めに、それらが闘う前、お前の牛は怒りをもって私の牛を見ていたか?。」
「いいえ、旦那様。」その貧しい男が答えました。
「お前の牛は、私の牛がお前の牛に走り向かい始める前に、モーと言ったか?。」裁判官が尋ねた。
「うむ…。」
「そして、真実を話すことを確約しなさい、よいかな?。お前の牛は私の牛を怒らす様なその他何かしらを、行ったか?。」
その貧しい男は、わからないと言いました。その裁判官は続けました。「そうすると、お前はどちらの牛が悪いのか、わからないということを言っている。」
その貧しい男は頷きました。
「どちらの牛が悪いのか我々が知らないのであれば、私は裁けない。それならば、私は自分の牛を殺すことはない。」その裁判官は言いました。
その貧しい男は微笑み、裁判官に言いました。「ああ、貴方は素晴らしい裁判官です。私は貴方が公平であることを知っていました。しかし、旦那様…。」
「ああ、なんだい?。」裁判官は尋ねた。
「私は今思い出しました。私は間違っていました、旦那様。貴方の牛を殺したのが、私の牛でした。」
その裁判官は突然に激怒しました。彼はその貧しい男の牛が処分されるべきかどうかを知るために彼の書物を調べ始めました。その貧しい男はすぐさま言いました。
「しかし旦那様。貴方は貴方の牛は殺されるべきでは無いとたった今言いました。それが意味するのは、私の牛は殺されるべきでは無いということです。」
「ああ、そうだな…。うむ…。」
そしてその裁判官はそれ以上何も言えませんでした。