Daughter: お父さん、わたしトイレとお風呂、お父さんのために掃除したよ。
Father: おー、ありがとう。
Daughter: で、わたし新しいシャンプーとボディーソープを、お風呂のそばに置いといたよ。二つともほとんど無かった。
Father: りょうかい。
Daughter: あ、それでもしトイレットペーパーが無くなりそうなら、買ってきて階段の下のおしいれにいれとくよ。
Father: わかったよ。シャンプーとボディーソープが階段の下だね。
Daughter: んっ?。ちがうよ、お父さん。トイレットペーパーが階段の下だよ!。お父さん話聞いてる?。
Father: ああ、わかったよ…。
Daughter: お父さんなにしてるの?。
Father: 僕は爪切りを探している。ここにそれを置いたと思うんだ…。
Daughter: (ためいき)わたしそれ、救急箱に戻したよ、お父さん。
Father: どうしてそこに?。
Daughter: お母さんは、いつも爪切りは救急箱に入れていたよ。
Father: ほんとう?。知らなかったな。
Daughter: お父さんは知らないよ、だって、いつもお父さん爪切り使うときお母さんに頼んでいたじゃない。
Father: うーん…そうだね。
Daughter: はい、これです、お父さん。
Father: 有難う。
Daughter: こういう小さな日用品は、お母さんをわたしたちに想い出させるよ、ちがうかな?。わたし、お母さん亡くしてから半年すぎたって、信じられない…。あれっ?、お父さんいまは何探してるの?。
Father: メガネ。今し方まで掛けてたんだよ。
Daughter: 冗談かな?。
Father: いや、違う。どうしたんだろ?、本当に見つからないよ。
Daughter: メガネはお父さんの頭の上にあるよ。
Father: おや…。
Daughter: だいじょうぶ?。
Father: うん、うん。大丈夫だよ。君はもう家に帰るべきじゃないかな。君の子供たち、学校からもうすぐ帰ってくる、だろう?。あーっ…おー…。
Daughter: 本当にお父さん、大丈夫?。
Father: うん…。私は太って、お腹が以前より大きくなったんだ…。だから、私には足の爪を切るのが本当にむつかしい。でも、心配するな。できるよ。
Daughter: わたしお父さんにやってあげるよ。わたしはお父さんに足を自分で切られたらいやだよ!。
Father: 僕の娘が僕のために爪を切ってくれる。だいぶ歳を感じる。
Daughter: うん、お父さんわたしが小さい時、私の爪切ってくれたよ。
Father: で、僕が歩けなくなったら僕を介護してくれる?。
Daughter: しない。
Father: なぜだい?。君が小さい時、僕は面倒見たよ。
Daughter: お父さんはわたしには大きすぎるよ、お父さん!。
Father: うーん…。僕は、君のお母さんが恋しいよ。
Daughter: お父さん。私たちと一緒に住むつもり、ある?。
Father: なんだい?。この家は私と君たちの家族みんなが住むには狭すぎるよ。
Daughter: ちがうの。私はお父さんに私たちの家に来て欲しいの。私たち家族会議をして、それで私たち全員が、お父さんに来て欲しいのよ。
Father: 有難う。しかし、僕にはそれはできない。
Daughter: 何故?。
Father: 僕はこの家を後にすることはできない。君のお母さんの想い出でいっぱいだから。
Daughter: お父さん…。
Father: 僕は君の助けが今以上に必要になることはわかっている。しかし、君は僕の気持ちを尊重し、理解してくれると思っているよ。
Daughter: わかったよ、お父さん。私、お父さんのお世話するため、いままでよりもっとここに来る。いまは、私の番、だね。