エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「The Great Gatsby - Episode Four ~Finale~」(2024 年 3 月)

 

「貴方の奥方は貴方を愛してはいない、トム。デイジーは私を愛している。」

 トムは感情的に言い返した。

「デイジーは私と結婚した時も、そして今でも、私を愛している。私もデイジーを愛している。私は時には他の女性と会うこともあるが、いつでも彼女の元へ帰ってくる。」

 ギャッツビー氏はデイジーに歩み寄った。

「貴女は彼を愛していない事を、彼に言うだけですよ。」

 デイジーはジョーダンと私を見た。彼女はこんな事が起こるのを望んでいなかったのだと言いたそうに見えた。しかし、それはもう遅すぎた。

「貴方は多くを求めすぎる!。私は今貴方を愛している。それで十分では無いの?。」

 ギャッツビー氏は少したじろいだように見えた。そして言った。

「トム、デイジーは貴方の元から去ります。」

「いいや、彼女はそうはしないさ。彼女は過去や職歴を詐称するような人物のために去る事はしないだろう。」

 そうして、トムはギャッツビー氏がアルコールを販売した犯罪者であると話した。ギャッツビー氏はデイジーにそれは全く事実では無いと話したが、彼女の怯えた目からはトムの元から去る彼女の勇気はなくなったように見えた。トムは言った。

「デイジーとギャッツビーよ、ギャッツビーの車で家まで帰れ。」

 デイジーとギャッツビー氏はギャッツビー氏の大きな黄色い車で去り、そしてその時私は思い出した。

「今日は私の 30 歳の誕生日だ。」

 我々の帰路、あのガスステーションの近くに人混みを見た。ニューヨークから来た黄色い車が当たり、トムの浮気相手のマートルを殺したようだった。

 我々がイースト・エッグに到着した時には、デイジーはすでに家に居た。私がタクシーを待っている時に、ギャッツビー氏が藪から現れた。

「女性が亡くなったんだ、ギャッツビー。デイジーが運転して居たのか?。」

「そうです。しかし、私は私が運転して居たのだと言うつもりです。私はここで、デイジーが眠りにつくまで、待つつもりです。おやすみなさい、尊公。」

 私は眠れなかった。それで次の日の早朝、私はギャッツビー氏の邸宅に向かった。私は彼に何かを警告するべきなのではないかと考えていた。

「ギャッツビー、君は街を発つべきだよ。」

「私はデイジーを残しては行けない。彼女が電話してくるのを待つつもりです。」

 私はその日、仕事に向かいたくなかった。私は列車を見送り、そしてその次の列車も乗らなかった。しかし、私は行かなければならなかった。そして我々は握手を交わし、私は去った。私は彼に叫んだ。

「彼らは良い者ではない。君は彼ら全員よりも、より価値の高い人物だよ。」

 それは、 私が彼についての褒め言葉を彼に言った、唯一の機会だった。そして、そう私が言えた事は、嬉しかった。何故ならそれは、彼と話す最後の機会だったからだ。ギャッツビー氏はマートルの夫に殺された。そしてその殺人者は自分自身をもまた、殺した。

 二年が過ぎた。そして私はその日のことを今でも思い出す。ギャッツビー氏のパーティに参加して居た者達からはたった一人だけが葬儀に参列した。デイジーも、来なかった。

 ギャッツビー氏はあの緑色の光を信じていた。言い換えれば、来る年も来る年も私たちのそばを通り過ぎる未来を信じていた。しかしそれでもなお我々は、明日のためにより速く走ろうと、より遠くに我々の腕を伸ばそうと試みる。船の上、我々は前に向かって漕ごうとする。海が我々を過去に強く押し戻すとしても。

 

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