男とロバが海に向かって歩いていた。男は塩を買うために、毎日海に行く。彼は塩を運ぶためにロバを使っていた。ロバは幸せなロバでは無かった。ロバは思う。
「この仕事は嫌いだ。塩はいつも、重い。」
家に向かう道に、橋のない河が在った。河は深くは無かったので、男とロバはいつも水の中に入り、それを歩いて渡った。彼らはこれを毎日行った。そして、今日も同じだった。二人が河に差し掛かった時、男は言った。
「よし、ロバよ。河を渡ろう。今日はそれほど冷たくは無いだろう。」
そうして、ロバは河の中に入り、歩いて渡り始めた。ロバは思う。
「僕は水の中を歩くのは好きでは無い。あの男は何も背負っていないから、河を楽に渡れるだろうけれど。でも塩を積んだ重い鞄を持つ僕にとっては河を渡るのは、難しいんだ。」
男とロバは河の中程まで安全に辿り着いた。その時ロバは大きな石を踏み、転んだ。男はすぐさまロバを起こすのを助けた。そうして再びロバは歩き始めた。彼は驚いた。
「塩の入った鞄がこんなに軽くなったぞ。ああ!、僕が転んだ時に塩が溶け出したのかもしれない!。これはいいぞ!。」
そしてロバは幸せなロバになった。
次の日、男とロバは海により多くの塩を得るために向かった。帰り道、再び彼らは河に辿り着いた。男はロバに言った。
「今日は注意深くだ。水の中で転ばないように。塩を失いたくは無いからな。」
しかしロバには彼自身の計画が在った。
「今となっては僕は、僕の仕事を楽にできる!。」
ロバは先日と同じ様に、また同じ場所で転んだ。そうして塩は溶け出した。ロバは軽くなった鞄と共に起き上がり、思った。
「よし!、やったぞ!」
ロバは幸せだった、しかし男はとても怒った。彼はロバの計画を理解した。男は今回は家まで戻らなかった。男は速やかに海までロバを連れて行った。男は大きな海綿の塊を買い、ロバの背中に積んだ。
河に辿り着き、ロバは再び転んだ。しかし今回は、海綿の中に水が入ってくる。そうして転ぶ前より重くなっていく!。ロバは思った。
「僕は馬鹿だった。同じ企みがいつでも通じるわけでは無い。本当に重いこの鞄を僕は今、運ばなくてはならなく成った…。」
--The same measure will not suit all circumstances.
(同じ手段が全ての状況に適応できるわけでは無い。)