Akito: そういうわけで、すったて鍋がベストインジャパンなの?。
Ben: そうなんだよ。すったて鍋は2014年度のニッポン全国鍋グランプリで優勝したんだ。
A: 僕は鍋のコンテストが在ることさえ知らなかったよ。それで、この鍋の何がそんなに特別なの?。
B: このスープは大豆から作られている。みそとしょうゆを混ぜたものだよ。
A: ふむむ、そういうことでこれはこんなに美味しいのか。でも、僕に君がこの美味しいお昼ご飯をご馳走してくれたからといって、それは僕がもう君に怒ってはいないということには成らないよ。
B: きみはまだ怒っているのかい?。
A: もちろんだとも。僕らは名古屋に行く予定だった。
B: ぼくはきみに何度せつめいすればいいんだい?。ぼくらがヒッチハイクしているときに拾ってくれた運転手さんが、世界遺産だからここに来たらと、言ったんだよ。彼はとてもぼくらに親切にしてくれた。ぼくはノーとは言えなかったよ。
A: その時、彼にイエスと言う前にどうして僕に話してくれなかったんだよ。
B: そうしようとしたよ。でもきみは、後部座席で睡眠中だったんだよ。ぼくは君を起こしたくはなかったんだ…。
A: 僕はそうは思わない。君は自分で決めたかったから僕を起こさなかったんだ。
B: ああ、アキト。そんなに怒るなよ。
Narration(Ben): ぼくはベン。いま現在、アキトとぼくは白川郷にいる。アキトはぼくらが名古屋に行かなかったために、怒っている。でもぼくはほんとうに、ここにきたかったんだ。ぼくらはいま、郷土の鍋をたべている。
A: それで、僕らは食事をした後、何をしに行くのさ?。
B: ぼくらは合掌造りの家のある村にいくんだよ。
A: 君は合掌の意味もしっているかい?。
B: うーむ、わからない。教えてくれる?。
A: いいよ。日本の人々が祈りを捧げるとき、両手を一緒に合わせる。この動作が合掌と呼ばれるんだ。
B: そうなんだ?。
A: 合掌造りの家は、二つの手を合わせた様に見える屋根を持つんだ。
B: なるほど。しかし、どうして屋根をそんなに急勾配につくるんだい?。
A: どうしてかと言うと、冬に、この辺りには重く大量の雪が在るんだ。合掌の形は、屋根に雪のない状態を保つんだよ。
B: ワオ。きみはよくしっているなあ。
A: ほとんどの日本人ならこれは知っているよ。
B: マジで?。おい!、きみのかばんの中のその本はなんだい?。
A: これ?。なんでもないよ…。
B: ぼくにそれをみせてみろよ!。
A: おい、ベン!。僕の鞄に触るなよ!。
B: あー、それは白川郷についての本だね。あはっ!、きみもここに、来たかったんだね。
A: 少しは、興味あったかもしれないね…。
N(B): 食後、アキトと僕はまた別のレストランに行く。ここからは僕らは、村全体を見ることが出来る。
A: なんて素晴らしい景色だろう!。
B: きみのガイドブックには、ドイツから来た人物が白川郷のことを世界に紹介したと書いてある。
A: そうだね。僕はもう読んだよ。彼の名はブルーノ・タウト。そして彼は建築家だ。
B: タウト氏は、この地域はまったく日本のようには見えないと言った。ぼくも彼に同意するよ。
A: どう言う意味だい?。僕は白川郷はとても日本的だと思うよ。
B: うん。白川郷は、ぼくがいままでに見て来たその他の日本の村とは、似ていないんだ。
A: ふむ。そうなのかもしれない。
B: それで、きみはまだ怒っているのかい?。
A: 怒る?。何に対してさ?。
B: ああ、怒ってないか。
N(B): アキトは決して長くは怒らない。彼はほんとうに良い奴だよ。