老いた農夫と彼の妻は子を持ちませんでした。それで彼らは、いつも田の神様へ子供のことで祈りを捧げて居ました。ある日、田螺が老いた農夫に話しかけました。彼は老いた農夫の息子に成りたいのでした。老夫は、その田螺は田の神様から贈り物だと考えました。田螺は彼らの息子と成りました。田螺は良い息子であり、彼の両親の仕事を助けました。ある日、彼はお金持ちにお米を届けました。そのお金持ちは田螺にいたく感銘しました。お金持ちは彼の娘のうち一人を、田螺の妻として嫁がせる事を決めました。
田螺と彼の妻は一緒に暮らし、とても幸せでした。彼らは何時も笑い、楽しさと共にありました。彼らは二人で、老夫とその妻を良く世話しました。彼らは皆、とても幸せに暮らしました。
ある日、妻は田の神様の神社へ行く事を決めました。神社の門にて、田螺は言いました。
「君は一人で神様にお祈りに行ってくれ。僕は君を待つよ。僕を田んぼの中に、入れてくれ。」
若い妻は心配になりました。彼女は彼を一人に残したくは在りませんでした。しかし、彼女は彼の夫の言う事を聞きました。若い妻は彼を田の中に置き入れました。そうして、彼女は神社へ祈りに行きました。
彼女は祈りを終え、田に戻りました。彼女の夫は何処でしょう?。
「ああ、だめよ!。ここにはたくさんの田螺が居るわ!。」
若い妻は田螺を一つ一つ調べました。しかし、彼女は彼女の夫を見つけられませんでした。彼女は、大層、大層心配に成りました。若い妻は沢山の田の中を通りぬけ、何度も何度も転びました。彼女は泣きながら探しました。しかし、彼のことを見つけることは未だ、出来ませんでした。彼女の美しい浴衣はもはや美しいそれでは在りませんでした。しかし、彼女は構いません。彼女は彼の夫のことのみ、考えて居ました。
「あなた、何処に居るの?。私は貴方無しには、生きられません!。」
その時、彼女は彼女の後ろに声を聞きました。
「最愛の者、最愛の者よ、僕はここだ!。」
それは、彼女の夫の声でした!。
若い妻は周りを見廻し、端正な若者がそこに立っているのを見つけました。
「僕なんだよ。僕は、田螺だ。それなのに僕のことを愛してくれて、有難う。僕は今、人間になったんだよ。」
若い妻は大変に幸せでした。若い夫婦は神社へ向かい、田の神様に何度も、何度も祈りました。
若い夫婦は家に戻りました。老夫とその妻もまた、大層驚いて幸せでした。この知らせはお金持ちにも届き、彼もまた、とても嬉しく思いました。
年が過ぎ、お金持ちが亡くなった時、彼は全ての田を若い夫婦に与えました。彼らはとても一所懸命に働きました。そして、最後には甚だに、甚だにお金持ちになりました。そうして人々は彼らを、田螺長者、田螺のミリオネラと呼びました。