Narrator: 二人の若い紳士は、西洋料理店山猫軒、の空色の扉を通り抜けた。扉の裏にはこう書かれていた。”注文が大変多いのです。どうぞご理解下さい。”と。
Man 1: これはどう言う意味だろう?。
Man 2: たくさんの人が既に注文中であり、店は時間が必要だ、と言う意味だと僕は思うよ。
N: 廊下をさらに進み、彼らはもう一つの扉と、ブラシと鏡を見つけた。赤い文字でこう書いてあった。”髪を整え、こちらでお客様方の履き物を清潔にしてください。”と。
M 2: 重要なお客が居るに違いない。私たちも身なりを整えないとならないな。
N: 二人は整髪し、彼らの靴から泥を掃き落とした。そして、そのドアの裏には、さらなる言葉が在った。”皆様方の銃及び、弾丸を此処へ。”と。
M 1: それは道理にかなう。銃を担ぎ料理店に入るのは行儀が悪い。
N: その次の扉にはこう書かれていた。”お客様方の御帽子、外套及び下足をお脱ぎください。”と。その裏にはこう書かれていた。”お客様方の財布、カフスボタン、眼鏡及びその他尖った金属の物品は、その黒い金庫にお入れ下さい。”と。そして、彼らはそれに従った。
M 1: 彼らは料理にちょっと電気みたいなものを用いるつもりなんじゃないかな、と僕は思うよ。そう言うわけで、彼らは僕らから金属類を外したかったんだ。しかしなぜ、尖った物体を…。うむむ…。
N: 彼らの眼鏡とカフスボタンを外したのちに廊下を歩き続け、硝子の壺が脇にあるもう一つの扉を見た。その扉の言葉はこう言っていた。”この壺にあるクリームでお客様方の顔、腕及び脚を覆って下さい。”と。
M 1: 何故だ?。
M 2: 彼らは僕らの肌が乾燥することを望まないのだ。肌が乾燥しすぎると痛む、わかるだろう。
M 1: ああ、そういうことか。このクリームは牛乳から作られているよ!。
M 2: 顔に塗る時に、少し舐めてみよう。
N: 彼らがその扉を通り抜ける時、もう一つの壺とさらなる言葉が扉に書かれていた。”お客様方の身体には十分のクリームを塗布しましたか?。お客様方の耳の後ろにも塗布しましたか?。”と。
M 1: 彼らは素晴らしいね。耳のことは僕は忘れていたよ!。
M 2: これはいつ終わるんだ?。僕はとてもお腹が減ったよ!。
N: すぐに、彼らはもう一つ扉を見た。"粗餐は殆ど給仕可能な状態です。まもなく提供されます。この香水をご自身に噴霧して下さい。”と、言葉が読めた。二人の男は彼ら自身に香水を振りかけた。
M 1: この匂いはお酢のようだな…。
M 2: ウエイトレスが間違えたに違いない。彼女は体調が悪くて、匂いが判らなかったのだろう。
N: 彼らは扉を通り抜け、扉の裏にさらなる言葉を見つけた。”多くの注文に対し申し訳なく思います。これが最後の注文です。その壺の中の塩をお身体に揉み込んで下さい。”と。
M 1: 何かが、おかしいぞ…。
M 2: 僕もそう、思う…。
N: 彼らは、塩が入っている美しい青い壺を見た。そうして、彼らはお互いを見合わせた。
M 1: 客が、注文をしているのではなく、料理店が、だ!。
M 2: そうだ。であるから、僕らが料理を食べるのではなく、僕らが料理なのだ!。
N: 二人の男は震えだした。彼らは大きく恐怖した。