エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

「Matasaburo of the Wind Episode Two」(2021 年 1 月 放送)

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 三郎が彼らの学校へ初登校した二日後の朝、一郎は嘉助、佐太郎そして悦治と共に三郎の家の近くの川に行った。四人の子供達は柳の枝で鞭を作った。彼らはそれを振り回しながら野原への丘を登り歩いて居た。直ぐに、彼らは三郎の声を聴いた。

 

「おうい!、僕は君ら皆が来てくれて嬉しい!。長い間待って居たよ、分かるだろう。僕の家は本当に直ぐそばだ。後で僕の家に行こう!。」

 

 少年の一人は答えた。

 

「そうだね!。でもまず、野原に行こう。」

 

 五人の少年たちは長い間歩き、野原に到着した。そこには背中に草の束を抱えた二匹の馬が居た。一郎は彼の顔の汗を拭うと、叫んだ。

 

「兄さん!、どこに居るの?。僕らはここに居るよ!。」

 

 その時、一郎の兄は草の中から現れ、笑いながら言った。

 

「よく来たな。しかし天候は午後から悪くなる。遊ぶ時は、あそこの土手の内側に居ろ、迷子にならない様に。またそれに、たくさんの馬がそこには居るから。」

 

 そう言って、一郎の兄は仕事に戻って行った。

 

 五人の少年たちは土手まで行き、七匹の美しい馬を見た。一郎は言った。

 

「これらの馬は来年の競馬で走る予定だ。」

 

 その時、三郎は一つ思いついた。

 

「僕ら自身の競馬を催そう!。一匹の馬をそれぞれが選んで、その馬を追う!。あそこの大きな木に始めに到着した馬が勝者だ。」

 

 少年たちはその思いつきを面白がり、それぞれが馬を選んだ。しかし競馬は計画の通りには上手くいかず、二匹の馬を逃してしまった。一郎は彼の兄に叫んだ。

 

「ああ、だめだ!兄さん、馬が逃げる!。」

 

 三郎と嘉助は二匹の馬の後を走った。彼らは走って、深い草むらを高く、低く走り抜いた。直ぐに嘉助は足の感覚が無くなり始め、三郎の白い帽子も見失った。嘉助は思った。

 

「これは良く無いな。悪い色々な事がこれから起こるぞ。」

 

その時、彼は彼ができる限りの大きな声で叫んだ。

 

「一郎、何処に居る?」

 

 だれも答えなかった。冷たい風が草の間を吹き、霧が嘉助の服を濡らした。嘉助は戻ることにした、しかし彼は迷ってしまった。今では霧が辺りを覆っている。嘉助は葉っぱから垂れ落ちる水の音を聞いて居た。

 その時突然に、彼の目の前に嘉助が一度も見たことのない大きな谷が現れた。霧がその谷を底無しに見せる。嘉助は素早く彼の来た道を引き返した。彼は歩いて歩いた。強い風が吹く。空が、空中に旗を降るようにひかり、火が煌めくのが見えた。嘉助は草の中に横たわり、眠ってしまった。

 

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