Husband: ふう、彼女はやっと寝たな。
Wife: ありがとうね、あなた。
Husband: 大丈夫。僕は彼女と一緒の時間が過ごせて、幸せだよ。でも、今日学校で、何かあったのかもしれない。彼女は悩んでいるようにみえたよ。
Wife: なにか、あなたに彼女は話した?。
Husband: いいや、彼女は僕に何も話さなかった。
Wife: ふむむ。もしかすると彼女はまだあのことを気にしているのかもね。
Husband: 何のことだい?。君は何か知っているの?。
Wife: うん。わたし、今日ヒトミの担任の先生と面談があったの。先生はヒトミがテストでカンニングしたんだって言ってた。
Husband: なんだって?。ヒトミはそんなことしないよ!。
Wife: 彼女はしてしまったの。彼女は彼女のお友達の答えを見て、それを答案に書いたのよ。
Husband: えっ?。ヒトミが友達の答案をみて、その答えを書いたと?。いやいや、冗談でしょう。彼女がそんなことしないだろう。
Wife: ねえあなた、静かにお話して。
Husband: 僕はそんなこと信じない!。
Wife: あなた、どこへ行くの?。
Husband: 僕は彼女を起こしにいって、その件について彼女に聞いてみるつもりだ。
Wife: ああ、そんなことしないで!。ヒトミを寝かしたままにしておいて。
Husband: しかし…。
Wife: 落ち着いてね。先生は、ヒトミとお友達とお話して、すべてが問題ないって言っていたわ。
Husband: それが問題なんじゃない!。例えばもし君がカンニングしたとしたなら、君は泥棒と同じだ。誰かの答えを盗んだということだ。
Wife: 判るわ。でも…。
Husband: 心配しないで。僕はヒトミを叱るつもりはないよ。彼女と話したいだけだ。わかるだろう、僕もかつて、同じようなことをしていたんだよ。
Wife: えっなに?。あなたもカンニングを?。
Husband: そうだよ。皆が良い成績を取りたい。自分の中の悪魔の声を聞いては行けないのだけれど、それでも時には…。
Wife: そうね。それで、あなたは悪魔の声を聞き、隣に座る誰かの答案を見た、と?。
Husband: 違うんだ。僕はそうはしなかった!。僕は消しゴムに、漢字を書いておいた。それで、僕は正確にその漢字を書くことができたよ。
Wife: えっ?。
Husband: それに、英単語を暗記するのは大変だろう。だから、僕は自分の筆箱の裏にそれらを記しておくこともあったよ。
Wife: あなた!。信じられない!。あなた始めからカンニングするつもりだった訳じゃない。
Husband: そうだね…。僕はいい成績が欲しくて…。
Wife: あなたとヒトミは全然ちがうわよ!。
Husband: 僕らは同じことをしたじゃないか。
Wife: ヒトミはカンニングを故意にしたわけじゃないのよ。彼女がテストを受けている時、地震があったの。
Husband: ああ。
Wife: 先生は生徒たちに、机の下に隠れるように言ったの。その時ヒトミはカンニングをしたの。彼女は彼女の友達のテストを間違って見ちゃったのよ。
Husband: それだけのこと?。
Wife: そうなの。地震のあと、生徒たちはテストに再び取り掛かって。ヒトミはそのこと、先生に言ったらいいかどうかわからなくて。彼女は言わないと、決めたの。
Husband: それなら、ヒトミはどうして落ち込んでいるの?。
Wife: 彼女はそのテストで 100 点だったのよ。
Husband: それはすごいじゃない!。僕の娘はとても賢いな。
Wife: でも、ヒトミは自分はカンニングしたようなものだって感じてた。だから、彼女は先生に「わたしカンニングしました。だから、このテスト 100 点をもらえません」って言ったの。
Husband: 信じられない。彼女は何という…。
Wife: あなた、どこへ行くの?。彼女を起こさないでって言ったでしょう!。
Husband: 僕はヒトミを抱きしめて言いたい。僕は君を誇りに思うと!。
Wife: ああ、あなた、朝まで待つことはできない?。