
「ベルモンさん、貴方はほんとうに、アルセーヌ・ルパンに似ていますね。もし私の従兄弟が貴方を私に紹介しなかったなら、そして私が貴方の絵画作品をさほど好きではなかったなら、私は直ちに警察を呼んでいるところです。」
ティベルメニル城での夕食会の来賓たちが笑った。
城の主、ドゥバンヌ氏は来賓たちを城の中を紹介しながら、その画家、ベルモンををからかっていた。
「もう貴方にはあまり時間がありませんよ。今晩は貴方の最後の機会ですよ!。」
ベルモンはその冗談に乗ることを決めた。
「どういう意味ですか?。」
「イギリスの偉大な探偵、シャーロック・ホームズが明日の午後 4 時ちょうどにここに来るのです。ルパンとその部下たちがこの近辺にいることを、私は知っているので、彼に来るように依頼したのです。ルパンたちは近隣の城で強奪をしました。私が、おそらく次の番でしょう。」
全ての来賓がこれを聞いて驚いた。そうしてドゥバンヌ氏は本棚を指差した。二つの大きな本の間に、小さな隙間が在った。
「これらの二つの本の間に、以前この城の歴史についての本が在ったのです。その本には、外部からこの城の中に入る秘密のトンネルを示す地図が含まれていました。そしてその本がひと月前に消失してしまいました!。」
「悪いことのように聞こえますね。それで、貴殿はシャーロック・ホームズに助けを求めたと?。」
「その理由だけではないのです。この城のことについて書かれた他の本が、パリの国立図書館に在りました。その本も消失したのです。これら二つの本を参照するとこの城へ出入りする正確な方法がわかるのです。」
「なるほど。差し迫ったことのように聞こえます。貴殿は入口はどこで、そのトンネルが導く先はどこなのかご存知なのですか?。」
「それが問題なのです。私たちはこの部屋に多くの高価な宝物を保管しています。そして、私は我々がいるこの部屋にトンネルがつながっていることを知っています。そして私に分かるのは、それが全部です。」
来賓のうちの一人は城について多くのことを知る神父だった。彼は言った。
「ドゥバンヌさん、手がかりはあります。思い出してください、フランスの二人の王が、謎解きを残しています。」
その神父によると、ヘンリー 4 世とルイ 16 世はこの城に泊まったことがあった。彼らは二人ともその秘密のトンネルを使い、彼らのそれぞれが手がかりを残している。第一の手がかりは、
「震える蜂に片方の目を向けると、もう片方の目が神へと導く。」
第二の手がかりは、
「ティベルメニル 3-4-11」
だという。
ドゥバンヌ氏はベルモンに尋ねた。
「これら二つの手がかりがあっても、誰もこの謎を 100 年間以上も解決できなかった。シャーロック・ホームズはこれを解決できると思うかい?。」
ベルモンは自分がルパンであるかのように振る舞い、言った。
「私なら今や解決できる。私は十分な情報をそれらの本からは得てはいなかったが、その神父さんが私にその情報を補ってくれた。私はすぐに去らなくてはならない。」
「はは!。貴方は急ぐ必要がある。」
ベルモンは笑みと共に答えた。
「ええ、私はシャーロック・ホームズが明日到着する前に貴殿の城を強奪しなければなりませんのでね!。」
全ての来賓が笑った。そうして、ドゥバンヌ氏が言った。
「紳士方、明日の遅くの朝食には、またお戻りください。」