エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳

NHKのラジオ番組 enjoy simple english「エンジョイシンプルイングリッシュ」を和訳しています。

Japanese Classics

「Lemon Episode Four ~Finale~」(2020 年 12 月 放送)

私は丸善に入った。しかし私の心の多幸感は徐々に私から逃げ始めた。香水壜や煙管も私の心を惹きつけなかった。暗い感情が私を襲い始めた。私は歩きすぎて疲れたのだろうと思った。そして、画集で埋まった棚へ向かった。私は一つの本を取り出した。それを開…

「Lemon Episode Three」(2020 年 12 月 放送)

ある日、私はその果物屋で買い物をした。それは私らしい事では無かった。思いがけず、その店に檸檬が売られて居た。檸檬は特別に珍しいものでは無い。その店はその他の果物屋と同じようなものだったので、それ以前には檸檬に気がつく事が無かった。あなたの…

「Lemon Episode Two」(2020 年 12 月 放送)

あなたが想像するよう、私は極めて少しのお金しか持って居なかった。しかし、私の心理状況が私の生活に影響する以前には、丸善と呼ばれる店に行くのが好きだった。そこでは赤や黄色の香水や、頭髪の抜けるのを防ぐ薬であるとか、を売って居た。また、高級な…

「Lemon Episode One」(2020 年 12 月 放送)

何か違和感のある、暗い物が私の心を押し下げており、それは止まなかった。それはやらなくてはならない事をやれない時に起こる感情に似て居た。それは何かを嫌う時の感情だ。皆が知る様に、酒を飲みすぎた時には次の朝には気分が悪い。また、毎晩酒を飲んで…

「Sangetsuki Episode Four ~Finale~」(2020 年 11 月 放送)

虎である李徴はこう言った。 「私は先程、どうしてこのようなことが自分に起こったか分からない、と言った。しかし思い当たることは在る。私は偉大な詩家に成りたかった。しかし私は師を持つことや自分の作品に対しての意見を、他に同じ夢を見る仲間に得る事…

「Sangetsuki Episode Three」(2020 年 11 月 放送)

虎に変身する人間、李徴。彼は彼の友人、袁傪に話した。 「人間では無くなる前に、君に頼みたいことがある。」 高い草の陰からの声を聞くために、袁傪は息を飲んだ。 「これらすべてのことが私の身に起こる前、私は高名な詩家に成りたかった。その夢を達成す…

「Sangetsuki Episode Two」(2020 年 11 月 放送)

李徴と袁傪は官僚になるための最も難しい試験に、同じ年に合格した。李徴は多くの友人を持たなかったが袁傪はその中の一人であり、一番親しい友人であった。柔らかく泣く声が高い草の方から聞こえた。袁傪は返答を待った。暫くのち、低い声で応えがあった。 …

「Sangetsuki Episode One」(2020 年 11 月 放送)

隴西出身の李徴は知恵があり、才能に恵まれていた。若い頃彼は科挙と呼ばれる極めて難しい試験に合格し、役人に成った。彼は江南と呼ばれる地域に陸軍及び、罪人を管理する機関の長として配属された。しかし李徴はその業務を誇りに思う事が出来なかった。そ…

「The Pillow Book Part Four ~Finale~」(2020 年 10 月 放送分)

こころが憂鬱になるもの。 多くの人が、人に嫌われることを望まないと思う。すこし変わり者さえ、嫌われることは望まない。しかし人を嫌いか好きか、ということは人間にとって自然なことである。そのことは仕事でも、家族の中でさえも存在する。それは悲しい…

「The Pillow Book Part Three」(2020 年 10 月 放送分)

こころがどきどきするもの。 こころがどきどきするもの:競馬を見るとき。結うための紙縒を髪に付けるとき。両親が調子が悪いと言い、様子が悪そうに見えたとき。また、病気が世間に蔓延していると聞いたとき、どきどきは高まってしまう。そういうときは、な…

「The Pillow Book Part Two」(2020 年 10 月 放送分)

ひとを心配させるもの。 ひとを心配させるもの:お坊さんになるために、比叡山に12年修行している息子を持つ母親は、息子のことを心配する。知らない土地に行った時に日が暗くなり、従者が周りの目を気にして明かりをつけさせてくれないなか横に一列になら…

「The Pillow Book Part One」(2020 年 10 月 放送分)

春に於いて一番綺麗なものは、明け方だ。 春には、明け方が一番綺麗なものだ。山の上の空は日が昇るにつれだんだん明るくなる。長く細い雲が明るい紫に変わり、目を楽しませる。 夏には、夜が一番綺麗なものだ。月が出ていればなお良い。しかし、月が出てい…

「I Am a Cat Episode Four Finale」(2020 年 9 月 放送分)

私の主人は今では、決して画家に成れない事は理解しているよう見えた。彼は彼の日記にこう記した。 ” 私は本日、会議において或る男に出会った。彼は、過去に随分と多く遊び惚けたと聞いた。彼はそのよう見えた。彼のようなタイプの男性は女性に好まれる。で…

「I Am a Cat Episode Three」(2020 年 9 月 放送分)

私の家の裏には小さな茶畑がある。或る暖かな穏やかな日の、午後二時頃。私はそこに散歩に行った。その時私は大きく太った黒い猫を見かけた。彼は花々の上に、それらを潰して寝ていた。彼は本当に大きく、猫の王のよう見えた。私は驚きと好奇心と共に彼を見…

「I Am a Cat Episode Two」(2020 年 9 月 放送分)

私の主人は教師だった。彼が学校から家に帰って来た後、彼は彼の全ての時間を彼の学習のために費やす。家の中の全ての人間たちは、彼のことを大変な勉強家だと考えていた。しかし、彼は彼の本の上に頭を乗せ寝ていた、というのが真実だ。その事は私に、教師…

「I Am a Cat Episode One」(2020 年 9 月 放送分)

私は猫だ。そして、私は名前を未だ持たない。私は私が生まれた場所についての記憶も持たない。しかし、暗く湿気のある場所で泣いていたことは覚えている。また、そこは私が人間に生まれて初めて出会った場所でもある。彼はその人間のうち、最も危険な種類の…

「Red Candles and the Mermaid Episode Four Finale」(2020 年 8 月 放送分)

「どなた?。」 その老夫婦は、戸を叩く者が誰かは知らなかった。叩く音は続いた。そうして老妻が戸を少し開け、表を見た。そこには女が立っていた。彼女の顔は蒼白であった。女は、蝋燭を買いに来たのである。それは真夜中であるが、老婦は金銭を稼ぐことが…

「Red Candles and the Mermaid Episode Three」(2020 年 8 月 放送分)

南方からの強欲な商人は、人魚の美しい娘についての話を聞いた。彼は老夫婦の家にある日に向い、言った。 「あなた方の人魚、私に売ってくださいませんか?。わたしは多くの金額をお支払いします。」 「彼女を、売る?。そんな愚かなことを言いなさんな。」 …

「Red Candles and the Mermaid Episode Two」(2020 年 8 月 放送分)

人魚の娘は歳を重ね育った。彼女は彼女の異形な体を恥じており、あまり外へは出なかった。しかしながら、彼女のことを見たことのある者はすべて、彼女の美麗さに大変驚くのであった。彼女をただ見たいがために、老夫婦の店に蝋燭を買いに来る客も在るのであ…

「Red Candles and the Mermaid Episode One」(2020 年 8 月 放送分)

人魚は南方の海に暮らすだけではない。彼らはまた、北方の海にも暮らす。北方の海は、たいへんに青い。 或る日、人魚は岩の天辺に休んでいた。 「ここはなんて寂しい場所。どうして私たちは寒く、暗く深い海に暮らさなくてはならないの?。人間は私たちに姿…

「A Bunch of Grapes Episode Four Finale」(2020 年 7 月 24 日 放送分)

私はいつものよう海沿いの道を家まで歩いていた。いつものよう船を眺めた。家に着き、わたしは葡萄を全て食べた。それは美味しかった。 次の日が来た。私は学校へは行きたくは無かった。私は胃痛が在ることを望んだ。私は頭痛が在ることを望んだ。しかしその…

「A Bunch of Grapes Episode Three」(2020 年 7 月 17 日 放送分)

教師は我々を見た際、すこし驚いたように見えた。しかし彼女は右手で彼女の短い髪に触れ、彼女のいつもの柔らかな表情で我々を見た。彼女は何か在ったの、と訊くように彼女の首を傾げるのであった。 その時、大きく利発な少年が前に歩み寄った。彼は彼女に、…

「A Bunch of Grapes Episode Two」(2020 年 7 月 10 日 放送分)

予鈴が鳴った。私はその時突然に立ち上がった。窓越しに、級友たちが笑いながら彼らの手を洗いに行くのが見えた。私の頭の中は氷のように冷たくなっていった。私はジムの机の方へ歩いて行き、その蓋を開けた。夢の中にいるようであった。私は近くに誰もいな…

「A Bunch of Grapes Episode One」(2020 年 7 月 3 日 放送分)

私が子供だった頃、私は絵を描くことを愛していた。私の学校は横浜の山手と呼ばれる場所に在った。そこにはそこに住む、多くの外国人が居た。そして、私の学校の教師の殆どが外国人であった。私が学校に通った道には、多くのホテルと外国の企業があった。わ…

「The Restaurant with Many Orders ~Episode Three~」(2020 年 6 月 26 日 放送分)

Narrator: 二人の若い紳士は、恐怖に震えていた。彼らは、彼らに対し食物を提供するつもりの無い料理店の中に居た。料理として給仕されるのは、彼らなのだ。 Man 1: 僕らは西洋風に料理されてしまう!。走れ!。 N: 二人の男は先程通った扉から逃げ出すこと…

「The Restaurant with Many Orders ~Episode Two~」(2020 年 6 月 19 日 放送分)

Narrator: 二人の若い紳士は、西洋料理店山猫軒、の空色の扉を通り抜けた。扉の裏にはこう書かれていた。”注文が大変多いのです。どうぞご理解下さい。”と。 Man 1: これはどう言う意味だろう?。 Man 2: たくさんの人が既に注文中であり、店は時間が必要だ…

「The Restaurant with Many Orders ~Episode One~」(2020 年 6 月 12 日 放送分)

Narrator: 英国軍兵士のよう着飾った二人の若い紳士が、深い森を歩いていた。二人の男はそれぞれ、北極熊のような大きな犬と、彼らの肩越しに輝く銃を、持っていた。 Man 1: この山は良くない。鳥も動物も見かけない。私は何かを狩りたい。バンバン!。 Man …

「Against the Rain」(2020 年 6 月 5 日 放送分)

雨でさえも、 そして、風でさえも、 私を止めることは出来ないであろう。 雪でさえも、 そして、暑い夏の日々でさえも、 私を止めることは出来ないであろう。 私の望む全ては、健康な身体であり、 私は、不必要のものを望むことはない。 そして、怒りを感ず…

「The Nose Episode Four」(2020 年 5 月 29 日 放送分)

内供は日に日に不幸せになった。彼の鼻は以前は顎まで垂れ下がって居た。今はそれは短く、より普通であった。しかし内供は人々がより彼を晒うことを知った。内供は彼の弟子たちを怒鳴りつけることを始めた。 「そこにただ立って居るのではない。お前は充分に…

「The Nose Episode Three」(2020 年 5 月 22 日 放送分)

内供は鏡を覗き込んだ。彼の長い鼻は、短くなっていた!。以前には彼の顎まで垂れて居たが、今ではしかしそれは彼の唇の上に在った。彼のことをもう笑う者は居ないだろう!。内供は鏡の中の顔に、幸そうに笑みを浮かべた。その鏡の中の顔は、微笑みを返した。…

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